荷擔かたん)” の例文
新字:荷担
「ね、お神さん。佛樣のことを惡く言ふわけぢやないが、吉三郎はその御家人喜六と唐人お勇に荷擔かたんして大層なことをやつて居たんだ」
其方儀そのはうぎ出家しゆつけとして淺草阿部川町了源寺にて盜賊たうぞくに及び其上京都日野家に於て惡人共に荷擔かたんなし又此度嘉川主税之助にたのまれ島が死骸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
是れも假名は心の儘に書けと云ふのであつて、復古の假名遣を排斥しまして、かへつて定家の方に荷擔かたんして居ります。
仮名遣意見 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「親分、あの娘ぢやありませんよ、——あの娘なら、殺したら、殺したと名乘つて出る筈ぢやありませんか、金藏破りとそれに荷擔かたんした奴が知れたんですもの」
もて身の營業なりはひとなすものがいかで左樣な惡き事に荷擔かたん致してすむ可きかは此御賢察ごけんさつこひねがふと口には立派りつぱに言物からこゝろの中には密計みつけいの早くもあらはれ夫ゆゑに弟は最期さいご
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
平次が堀周吉その他の惡者を縛り上げる間に周吉に荷擔かたんした親類達はコソコソと逃げ出しました。
其方儀白子屋庄三郎さいつねはじめの惡事あくじ荷擔かたんいたし候段不屆に付追放つゐはうつく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
萬一謀叛人に荷擔かたんして、見聞きした事も漏らさずに、大事が起つた時は何うなると思ひます
鈴川主人も惡人方に荷擔かたんして、お拂ひ箱になり、藝名を隱して母方の姓を名乘り、散々の惡事で取込んだ金を持つて、螢澤ほたるざはといふ偏僻へんぴなところに籠り、氣に入りの色子を集めて
「待つてくれ、八。さう言ふと仙臺樣が磯の安松に荷擔かたんでもしたやうに聞えるが——」