トップ
>
茶盌
>
ちゃわん
ふりがな文庫
“
茶盌
(
ちゃわん
)” の例文
小姓のひとりが、その
茶盌
(
ちゃわん
)
をささげて来ないうちに、石田佐吉の汗ばんだ顔が、
鬢
(
びん
)
をぬらしたまま彼の前に平伏した。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
数など考えて買ったことはないからである。よく世間には「
茶盌
(
ちゃわん
)
を百個集める」などと力んでいる蒐集家があるが、私には愚かに見えてならぬ。数で集めて何になるのかと思う。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
そのうちに、膳も
退
(
さ
)
げ、席をも改めて、中務は好きな薄茶を一ぷく命じて、気軽に飲んでいたが、ふと、
掌
(
て
)
にのせている
茶盌
(
ちゃわん
)
から思い出したように
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
茶盌
(
ちゃわん
)
を愛する人は習慣的にすぐ裏返して高台を見るが、そこは多く無釉で地肌が
露
(
あらわ
)
れている荒々しい部分である。ここに無量の味を追った。「かいらぎ」など鑑賞するのはそのためである。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「はい。家宝の名器と伺っておりましたが、欲しい馬がございましたので、
茶盌
(
ちゃわん
)
を売り払って、馬を求めました」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
値
(
あたい
)
ほどな
金子
(
きんす
)
を持ち合わぬ身、よんどころなく、父より貰いおきました『
野分
(
のわけ
)
』と銘のある家宝の
茶盌
(
ちゃわん
)
を売り払い、それにて求めましたので、鹿毛の名もそのまま
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
余りに
瑾
(
きず
)
のない
茶盌
(
ちゃわん
)
は、かえって風情がないとかいうが、どうも、わが主君にも、困った
瑾
(
きず
)
がある。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……しかし、
茶盌
(
ちゃわん
)
でも、あまり
無疵
(
むきず
)
は
風情
(
ふぜい
)
がない。たれにも
一癖
(
ひとくせ
)
はあるものよ。それも凡物の
大疵
(
おおきず
)
は困りものだが、藤吉郎ほどな男は、数ある男のうちでまず少ない
器
(
うつわ
)
だろう。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これは横山城の庭で、於福が焼いた
茶盌
(
ちゃわん
)
だな」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
茶盌
(
ちゃわん
)
をもどして——
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
茶
常用漢字
小2
部首:⾋
9画
盌
漢検準1級
部首:⽫
10画
“茶”で始まる語句
茶
茶碗
茶店
茶屋
茶釜
茶箪笥
茶漬
茶筅
茶色
茶褐色