胴顫どうぶる)” の例文
清浄無垢むくな美しい身体を考えると、さいころの目一つに、あらゆる身上しんしょうを張り込んだ人間のように、平次は腹の底から胴顫どうぶるいを感ずるのでした。
思わず寒さに胴顫どうぶるいすると同時に長吉は咽喉のどの奥から、今までは記憶しているとも心付かずにいた浄瑠璃じょうるり一節いっせつがわれ知らずに流れ出るのに驚いた。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
平一郎もお光もこの暗い未明を、がたがた胴顫どうぶるいをしている妓達の中に交って永遠の訣別に涙ぐんだのである。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
非常に寒い、もう冬のような朝のことで、寝間着の上にどてらを一枚引っ懸けたままあわてて出て来たものですから、私は受話器を握りながら、胴顫どうぶるいが止まりませんでした。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
冷や汗が全身に湧いて流れ、胴顫どうぶるいがガタガタした。
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
清浄無垢むくな美しい身体を考えると、さいころの目一つに、あらゆる身上しんしょうを張り込んだ人間のように、平次は腹の底から胴顫どうぶるいを感ずるのでした。
思はず寒さに胴顫どうぶるひすると同時に長吉ちやうきち咽喉のどの奥から、今までは記憶きおくしてゐるとも心付こゝろづかずにゐた浄瑠璃じやうるり一節いつせつがわれ知らずに流れ出るのにおどろいた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
言い甲斐もなく胴顫どうぶるいするガラッ八の手をふりもぎって、平次は忍び足に、その声の方へ近付きました。
平次の前——小夜菊の死骸の見えるところへ引出されると、ガタガタ胴顫どうぶるひして居ります。
田之助はそう言いながら、自分の言葉に興奮して、ガタガタと胴顫どうぶるいをしているのです。
道庵はその不思議な丸薬を取り上げて、思わず胴顫どうぶるいをしました。
專次はガタガタ胴顫どうぶるひのするのをどう隱しやうもありません。
専次はガタガタ胴顫どうぶるいのするのをどう隠しようもありません。