背向そがひ)” の例文
また、「背向そがひ宿しく」は、男女云い争った後の行為のように取れて一層哀れも深いし、女らしいところがあっていい。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
背向そがひに臥してしどけな
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
朝日さし 背向そがひに見ゆる 神ながら 御名に負はせる 天そそり 高き立山 冬夏と 分くこともなく 白妙に 雪は降り置きて 古ゆ 在り来にければ こゞしかも 巌の神さび たまきはる 幾代経にけむ 立ちてゐて 見れども奇し 峰高み 谷を
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
然るに、巻十四、東歌あずまうたの挽歌の個処に、「かなし妹を何処いづち行かめと山菅やますげ背向そがひ宿しく今し悔しも」(三五七七)というのがあり、二つ共似ているが、巻七の方が優っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
吾背子わがせこ何処いづくかめとさきたけ背向そがひ宿しく今しくやしも 〔巻七・一四一二〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
セミョノフの砲艦はうかんひとつてゐるを背向そがひにしつつ我はいそげり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)