羽交はがひ)” の例文
かたなゝめにまへおとすと、そでうへへ、かひなすべつた、……つきげたるダリヤの大輪おほりん白々しろ/″\と、れながらたはむれかゝる、羽交はがひしたを、かるけ、すゞしいを、じつはせて
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とはいへ、さうした苦しみも忘れて嬉しかつたのは、けふの發見だ——雄鷄にはどの雄鷄にもそれぞれ西班牙があつて、それは尾に近い羽交はがひの下に隱れてゐることをおれは發見したのだ。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
併しもとの作はやはり防人さきもり本人で、哀韻の迫ってくるのはそのためであろう。「あしべゆく鴨の羽交はがひに霜ふりて寒き夕は大和やまとしおもほゆ」(巻一・六四)という志貴皇子の御歌に似ている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)