羊羹色やうかんいろ)” の例文
羊羹色やうかんいろ紋附もんつきさ、短いのを一本差したつきりで、覆面頭巾ふくめんづきんは冠つて居たさうだが、顏はこれを見てくれと言はぬばかりに、さらして居たさうだよ。
見る者なかりしとこゝ浪人體らうにんていさむらひの身には粗服そふくまとひ二月の餘寒よかんはげしきに羊羹色やうかんいろの羽織を着て麻のはかま穿はきつかはづれし大小をたいせし者常樂院じやうらくゐんの表門へ進みいらんとせしが寺内の嚴重げんぢうなる形勢ありさま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
四十過ぎの羊羹色やうかんいろの羽織、わざとに負けてお小遣と酒にありつくやうな浪人者が、ピカピカするやうな
色の青白い、少し病的ではあるが娘に似た立派な顏立ちで、羊羹色やうかんいろになつた羽織、膝の拔けかゝつたあはせ、疊も唐紙も、淺ましく古びて、貧しさは思ひやられます。
いかにも着實さうで、羊羹色やうかんいろの紋附と共に、何んの疑念も不平もなく、忠義一途に世にりた姿です。
前ぶれ通り、存分に野暮つたい四十五六の武家、羽織の紐を觀世縒くわんぜよりくゝつて、山の入つたはかま、折目高の羽織が、少し羊羹色やうかんいろになつてゐやうといふ、典型的な御用人です。
羊羹色やうかんいろのひどい紋附もんつきで、紋所もはつきりはわかりませんでした。羽二重なんかぢやございません。
勝手な獨り言を言ひ乍ら、少しやり過して、くだんの七つ下りの羊羹色やうかんいろ浪人の後から跟け始めました。それから大通りを暫く行つて、路地を二つ三つ曲ると、とある路地の中へ。
手に殘つたのは少し羊羹色やうかんいろになつた羽二重の羽織で、紋は、丸にたかの羽の打つ違ひ、ざらにある紋ですが、——高木家の定紋もこれと同じもの——と、お紋はそつと平次に囁きました。
羊羹色やうかんいろの紋附や、覆面頭巾ふくめんづきん、それから短い刀や、薄刄の刄物は?」