羅生門らしやうもん)” の例文
わたしの作品の名を上げて言へば「羅生門らしやうもん」などはその前者であり、今ここに話さうと思ふ「枯野抄かれのせう」「奉教人ほうけうにんの死」などはその後者である。
「あの女は少し綺麗過ぎましたよ、それに持ちかけやうが一通りぢやねえ。あんなのは羅生門らしやうもん河岸にも大根畑にも居ませんよ」
羅生門らしやうもんが、朱雀大路すじやくおおぢにある以上いじやうは、この男の外にも、あめやみをする市女笠いちめがさや揉烏帽子が、もう二三にんはありさうなものである。それが、このをとこほかにはたれもゐない。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「お前は、羅生門らしやうもん河岸ばかりあさつて歩くから、素人衆の娘の良さを知らないのだよ。が、兎も角油斷がならない。俺はあの浪人者の大澤傳右衞門さんのところへ行つて見る」
昔「羅生門らしやうもん」と云ふ小説を書いた時、主人公の下人げにんほほには、大きい面皰にきびのある由を書いた。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
雨は、羅生門らしやうもんをつゝんで、とほくから、ざあつと云ふ音をあつめて來る。夕闇は次第に空を低くして、見上みあげると、門の屋根が、斜につき出したいらかさきに、重たくうすくらくもを支へてゐる。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
僕は以前藤野古白ふぢのこはくの句に「傀儡師くわいらいし日暮れて帰る羅生門らしやうもん」と云ふのを見、「傀儡師」「羅生門」共に僕の小説集の名だから、暗合あんがふの妙に驚いたことがある。然るに今又この暗合に出合つた。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
或日あるひの暮方の事である。一人の下人が、羅生門らしやうもんの下で雨やみを待つてゐた。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
例へば、「羅生門らしやうもん」の中では
日本小説の支那訳 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)