-
トップ
>
-
繼上下
>
-
つぎかみしも
平石へ申通じける平石は伊賀亮と聞て
迷惑に思へども今更詮方なく控へ居る
頓て山内伊賀亮は
黒羽二重の小袖に
繼上下を
なし已に其議も調のひければ急に
本堂の
脇なる座敷に上段を
營へ前に
簾を
下し赤川大膳藤井左京の兩人は
繼上下にて其前に
控へ傍らに天忠
和尚紫の衣を
此時上段の
簾の前には
赤川大膳藤井左京の兩人
繼上下にて左右に居並び常樂院
天忠和尚が
披露につれ大膳が簾を
卷ば
雲間縁の
疊の上に
錦の
褥を
敷天一坊安座し身には
法衣を着し
中啓を