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緘
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とざ
ふりがな文庫
“
緘
(
とざ
)” の例文
平次に
睨
(
にら
)
まれて、ガラッ八は危うく口を
緘
(
とざ
)
しました。放っておいたら——こいつア大笑いだ——とでも言ったことでしょう。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
これまではたとえ同志であろうと、拙者大事をとりまして、その軍用金の所在については、口を
緘
(
とざ
)
しておりましたが、もう申してもよろしゅうござろう。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こうして肩を並べて行くところ、
落人
(
おちゅうど
)
めいた芝居気に与惣次はいい心持にしんみりしてしまったが、
掃部
(
かもん
)
へ用達しに行った帰途だとのほか、女は口を
緘
(
とざ
)
して語らなかった。
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
曾
(
かつ
)
て雪子の父と山林の境界で
裁判沙汰
(
さいばんざた
)
になるまで争つたのだから。でも固く口を
緘
(
とざ
)
してゐた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
われ/\の国の文学はいはひ詞以前は、口を
緘
(
とざ
)
して語らざるしゞまのあり様に這入る。此が猿楽其他の「
癋
(
ベシミ
)
の面」の由来である。其が一旦開口すると、止めどなく人に逆ふ饒舌の形が現れた。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
しばらく押問答しましたが、この一事に触れると、喜平は
田螺
(
たにし
)
のように口を
緘
(
とざ
)
して、一言も密告者を明かそうとしません。
銭形平次捕物控:052 二服の薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
白洲
(
しらす
)
に出ても大之進は口を
緘
(
とざ
)
して語らなかった。
早耳三次捕物聞書:01 霙橋辻斬夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
平次に睨まれて、ガラツ八は危ふく口を
緘
(
とざ
)
しました。放つて置いたら——こいつア大笑ひだ——とでも言つたことでせう。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はそれへ
誘
(
さそ
)
ひをかけましたが、一度
緘
(
とざ
)
された娘の唇は、容易に開きさうもありません。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
娘は何やら物言いた気ですが、何に脅えたか、また口を
緘
(
とざ
)
してしまいました。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
娘は何やら物言ひた氣ですが、何に脅えたか、又口を
緘
(
とざ
)
してしまひました。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彦太郎はプツリと話をきつて、
頑固
(
ぐわんこ
)
らしく口を
緘
(
とざ
)
すのです。
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の聲は辛辣に岩松の口を
緘
(
とざ
)
しました。
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の声は
辛辣
(
しんらつ
)
に岩松の口を
緘
(
とざ
)
しました。
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“緘”の意味
《動詞》
開いている口などををきつく閉じる。
(出典:Wiktionary)
緘
漢検1級
部首:⽷
15画
“緘”を含む語句
緘黙
緘黙行
緘默
五大力恋緘
封緘
緘默行
封緘紙
封緘葉書
緋緘
緘口
緘嘿
緘黙沈吟
要緘