“癋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ベシミ66.7%
ベシ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
能楽の面に大癋オホベシミと言ふのがあるが、ベシミは「へしむ」といふ動詞から出た名詞で、口を拗り曲げてゐる様である。神が土地の精霊と問答する時、精霊は容易に口を開かない。
鬼の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
たつて物言ふまいとする精霊を表したのが「ベシミの面」である。此時が過ぎて精霊が開口しかけると、盛んに人の反対に出る。あまのじやくと称する伝説上の怪物が、其から出て居る。
猿楽では、此うそぶきの狂言面であるのに対して、能面として多く用ゐられるベシ(多く癋見)がある。大癋見・小癋見など言ふ名はあるが、従来は、鬼天狗に用ゐる事が多い。