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癋
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ベシミ
ふりがな文庫
“
癋
(
ベシミ
)” の例文
能楽の面に
大癋
(
オホベシミ
)
と言ふのがあるが、
癋
(
ベシミ
)
は「へしむ」といふ動詞から出た名詞で、口を拗り曲げてゐる様である。神が土地の精霊と問答する時、精霊は容易に口を開かない。
鬼の話
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
たつて物言ふまいとする精霊を表したのが「
癋
(
ベシミ
)
の面」である。此時が過ぎて精霊が開口しかけると、盛んに人の反対に出る。あまのじやくと称する伝説上の怪物が、其から出て居る。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
われ/\の国の文学はいはひ詞以前は、口を
緘
(
とざ
)
して語らざるしゞまのあり様に這入る。此が猿楽其他の「
癋
(
ベシミ
)
の面」の由来である。其が一旦開口すると、止めどなく人に逆ふ饒舌の形が現れた。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
癋
部首:⽧
17画
“癋”を含む語句
癋見
大癋
大癋見