緑葉りよくえふ)” の例文
木立生ひ繁るをかは、岸までりて、靜かな水の中へつづく。薄暗うすぐらい水のなかば緑葉りよくえふを、まつさをなまたのなかば中空なかぞらの雲をゆすぶる。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
正面には緑葉りよくえふに「聖壽萬歳せいじゆばんざい」と白く菊花にてぬきたる大額をかゝげ、天井には隙間すきまもなく列国旗を掛けて、五色のアーク灯の光もあやに、床は鏡の如く磨きたればきら/\しく照り渡りて
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
緑葉りよくえふはやしでめぐらしてる、其中そのなか畑地はたちほかには人一個ひとひとりえぬ。
緑葉りよくえふに射す日影、白いカンナ屑のやうな雲……
紅葉山人訪問記 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)