継竿つぎざお)” の例文
旧字:繼竿
これなどはただ自分の名をいろいろと小札こふだに印刷して、それをできるだけ多くの堂宮どうみやの戸や柱にはってあるくだけで、刷毛はけのついた継竿つぎざおなどを用意して
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
切るのだと解ったよ。それから継竿つぎざおの一番先の細いのを用意して、太刀風と一緒に頭の上をかき廻したのさ
自分も釣の往復ゆきかえりに立寄って顔馴染かおなじみになっていたので、岡釣おかづりに用いる竿の継竿つぎざおとはいえ三間半げんはんもあって長いのをその度〻たびたびに携えて往復するのは好ましくないから
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かれは手甲脚絆の身軽な扮装いでたちで、長い竹の継竿つぎざおを持っていたが、その竿にたくさんの鳥黐とりもちが付いているのを見て、それが鳥さしであることを半七はすぐに覚った。
半七捕物帳:15 鷹のゆくえ (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
れいの凝性こりしょうで本式に腰蓑一つになって丈一の継竿つぎざおをうち振りうち振り、はや他念のない模様である。
顎十郎捕物帳:04 鎌いたち (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あれから、何度も船を出して、鈎縄かぎなわを下ろしてみたり、継竿つぎざおに引っ掛を付けて、探ってみたりしたが、場所は、生憎あいにくと思いのほか水深すいしんがあって、そんな楽な手段では揚りそうもなかった。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平次は勘六の持出した手燈の側へ、右手に持って居た三尺あまりの継竿つぎざおの先を出しました。