細腰さいよう)” の例文
細腰さいようは風にめぐり、鳳簪かんざしは月光にかがやき、しばらくは、仲秋の天地、虫の音までが彼女の舞にその鳴りをひそめてしまった風情ふぜいだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「でげすな、シルクてえのは、只今それお話の、お白様しらさまの口からお出ましになって、願わくは軽羅けいらとなって細腰さいようにつかん、とおいでなさるあの一件なんでげす」
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
腕白わんぱくひざへ薬をことづかつてくれれば、私が来るまでもなく、此のむすめは殺せたものを、が明けるまで黙つてなよ。」といひすてにして、細腰さいよう楚々そそたる後姿うしろすがた、肩をゆすつて
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
厨房くりやの珠すだれを掻きわけて、良人おっとの前に、あきれ顔を見せた細腰さいようの美人がある。三日月の眉、星のひとみ、婉然えんぜんと笑みをふくんだ糸切り歯が柘榴ざくろ胚子たねみたいに美しい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、すぐ椅子いすをうごかして、その嬋妍せんけん細腰さいようを曲げかけた。しかし「いや、いいんですよ」とばかり、西門慶もそれより低く身をかがめる。そして彼女のの下へ手を触れた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
劉備は、彼女の細腰さいようを抱き上げて、白馬の鞍にすがらせた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
凛々りんりん細腰さいようけん
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)