トップ
>
紛紜
>
いざこざ
ふりがな文庫
“
紛紜
(
いざこざ
)” の例文
植源の忙しい働き仕事や、絶え間のないそこの
家
(
うち
)
のなかの
紛紜
(
いざこざ
)
に飽はてて来たお島は、息をぬきに家へやって来ると父親に
零
(
こぼ
)
した。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その次に矢張り十三年度の三四月を区切って急に
殖
(
ふ
)
えて来たのは、取引上の
紛紜
(
いざこざ
)
、喧嘩の後始末、夫婦喧嘩の尻拭いなぞである。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
狂主人公に扮した
尾上
(
おのえ
)
菊五郎との間に、何か言葉のゆきちがいから面白くないことが出来て、菊五郎の芝居は見るの見ぬのとの
紛紜
(
いざこざ
)
があった。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
恐らく國のうちにゐるんだが、何か御一門に
紛紜
(
いざこざ
)
があつてか、それとも隣りあひの強國、たとへば佛蘭西か何處かが怖くて餘儀なく姿を隱してゐるのに違ひない。
狂人日記
(旧字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「旦那、お言葉中でございますが、あっしは町方の御用聞で、御武家やお大名方の
紛紜
(
いざこざ
)
に立ち入るわけには参りません。承る前に、それはお断り申上げた方が宜しいようで——」
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
自分ひとりの気分をかばつて一日でいいさうした周囲に起る不快なくだらない
紛紜
(
いざこざ
)
に耳をかさず心を動かさずに私は寂しい私自身を抱いて静かに深くそして真面目に何かを考へて見たい。
日記より
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
後に
紛紜
(
いざこざ
)
が起きて困ったことがあったが、結局解決がつかずじまいであったことが、今朝の清澄な心にふと思い出された。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「旦那、お言葉中でございますが、あつしは町方の御用聞で、御武家や御大名方の
紛紜
(
いざこざ
)
に立ち入るわけには參りません。承はる前に、それはお斷り申上げた方が宜しいやうで——」
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
紛紜
(
いざこざ
)
の絶えなかった一頃の事情は、お島もこの頃姉の口などから
洩聞
(
もれき
)
いたが、その鶴さんにも、いつか何処かで逢う機会があるような気がしていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「御武家方の
紛紜
(
いざこざ
)
に立入るのは筋違いですが、ともかく一応承りましょう」
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ステンカラの粗末な洋服を着ており、昔し国定と
対峙
(
たいじ
)
して、
利根川
(
とねがわ
)
からこっちを
繩張
(
なわばり
)
にしていた大前田の下ッ
端
(
ぱ
)
でもあったらしく、請負工事の
紛紜
(
いざこざ
)
で血生臭い
喧嘩
(
けんか
)
に連累し
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「御武家方の
紛紜
(
いざこざ
)
に立ち入るのは筋違ひですが、兎も角一應
承
(
うけたまは
)
りませう」
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其の家の地理や隣り近所の有様や、又は小さい子供を多勢もつた親達の夫婦喧嘩をして、瀬戸物や何かを打壊す時の
紛紜
(
いざこざ
)
を、六つにしてはまめ/\しすぎるほど細かに話して
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
倅の金五郎の家出の原因というのは、少し遊びすぎただけの事で、大した問題ではありませんが、それより吾妻屋にとって
鬱陶
(
うっとう
)
しい問題は、ツイ地続きの隣に住んでいる、田島屋との
紛紜
(
いざこざ
)
でした。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ひところの家庭の
紛紜
(
いざこざ
)
で心の痛手を負った時、彼女のところへやって来ると、別に甘い言葉で慰めることはしなくても、普通商売人の習性である、
懐
(
ふところ
)
のなかを探るようなこともなく
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
伜の金五郎の家出の原因といふのは、少し遊び過ぎただけの事で、大した問題ではありませんが、それより吾妻屋に取つて
欝陶
(
うつたう
)
しい問題は、ツイ地續きの隣に住んでゐる、田島屋との
紛紜
(
いざこざ
)
でした。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その日も養父は、使い道の
分明
(
はっきり
)
しないような金のことについて、昼頃からおとらとの間に
紛紜
(
いざこざ
)
を
惹起
(
ひきおこ
)
していた。長いあいだ不問に附して来た、青柳への貸のことが、ふとその時彼の口から言出された。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それまでにも、お増とお今との間には時々の
紛紜
(
いざこざ
)
が絶えなかった。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
紛
常用漢字
中学
部首:⽷
10画
紜
漢検1級
部首:⽷
10画
“紛紜”で始まる語句
紛紜日