さく)” の例文
翌年壬午の秋毅堂は胃癌を患い、まくらに伏すこと三旬あまり、その年の十月五日にさくえた。享年五十八である。碑文に
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
さくき、花をくうし香をくような事は僕婢ぼくひの為すがままに任せていたが、僧をひつぎおさめることは、其命を下さなかったから誰も手をつけるものは無かった。一日過ぎ、二日過ぎた。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
厳師森夫子は千朶山房せんださんぼうさくえたまい又莫逆の友九穂井上君は飄然として道山に帰りぬ。爾来われは教を請うべき師長もなくまた歓び語るべき伴侶もなし。
「麻布襍記」叙 (新字新仮名) / 永井荷風(著)