笑止をか)” の例文
で、貴方あなた時代じだいやうとすましてもゐられるでせうが、いや、わたくしふことはいやしいかもれません、笑止をかしければおわらください。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
めい/\自惚うぬぼれて嬢様へは勿論、旦那や夫人おくさまの御機嫌を伺つて十分及第する気でゐるのが笑止をかしいよ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
から笑止をかしくつてやうねえな、えゝか、う、かうやんだよ、あゝ、本當ほんたうつええのがんだよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
人間様の恋路の笑止をかしいのは鍋小路どので初めて承知して毎日顔を見る度に俺は腹筋はらすぢれたわい
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
桓武天皇九代の皇胤と列べ立てゝは緞帳どんちやうの台詞染みて笑止をかしくないが、御歴代の天皇様から御鐘愛を蒙むつて恐れ多くも九重こゝのへ咫尺しせきし奉つたためしは君達も忠君無二の日本人だから御存じだらう。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)