タチ)” の例文
タチ役になると、大分面目を異にして居る。後世は、「して」役になつて居るが、古くは「わき」役である。
江戸歌舞妓の外輪に沿うて (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そしてその他の種類へは皆その上に一の形容詞を付けて、例えばスミレ、アカネスミレ、野路ノジスミレ、深山ミヤマスミレ、タチスミレ、源氏ゲンジスミレ、円葉マルバスミレあるいはスミレなどと呼んでいる。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
役は重いが、役の位はタチ役の次位のやうに見えるものである。だから老巧な役者の、若手を立てると言つた役柄、さう言ふことが説明しなくても、見物に理会出来るものと考へてゐたのである。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)