立腐たちぐさ)” の例文
勇吉の後について、默つて行くと、三軒ある斷崖の上の茶店の一番奧、久しい前から立腐たちぐされになつてゐる家の表戸を開けて
永代橋えいたいばし河下かはしもには旧幕府の軍艦が一艘商船学校の練習船として立腐たちぐされのまゝに繋がれてゐた時分、同級の中学生といつものやうに浅草橋あさくさばしの船宿から小舟こぶねを借りてこのへんを漕ぎ廻り
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
三軒が皆とおしのようになっていて、その中央なかの家の、立腐たちぐされになってる畳の上に、木のちた、如何いかにも怪し気な長持ながもちが二つ置いてある、ふたは開けたなりなので、気味なかのぞいて見ると
怪物屋敷 (新字新仮名) / 柳川春葉(著)
永代橋の河下かわしもには旧幕府の軍艦が一艘商船学校の練習船として立腐たちぐされのままに繋がれていた時分、同級の中学生といつものように浅草橋あさくさばしの船宿から小舟こぶねを借りてこのへんぎ廻り