突懸つっか)” の例文
御前がそんなに行きたいなら行ってもろしい、しかし一世一代と云うので大変な大入だから到底とうてい突懸つっかけに行ったって這入はいれる気遣きづかいはない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あろう事か、あっと頬げたをおさえて退すさる、道学者の襟飾ネクタイへ、はすっかいに肩を突懸つっかけて、横押にぐいと押して
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
オイ、姉や、わっしが肩へつかまりねえ、わけなしだ。お前ンとこまで送ってやろうと、穿物はきもの突懸つっかけておいて、しゃがんで背中を向けますとね、そんな中でもきまりのわるそうに淋しい顔をして、うじうじ。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
青年わかものは身を斜めに、肩をゆすって才子に突懸つっか
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)