トップ
>
空似
>
そらに
ふりがな文庫
“
空似
(
そらに
)” の例文
「あの人は、少し気象が変っているから、何か気に入らないことがあって行ってしまったのか知ら、もしや、他人の
空似
(
そらに
)
というものではないかしら」
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
千代子は夜ふけの風のまだ寒かつた晩、店のしまひ
際
(
ぎは
)
にふと見かけた人の姿は他人の
空似
(
そらに
)
であつたのかも知れない。
にぎり飯
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
と、彼女もひとしく驚いた顔をした様子を見ますと、それは他人の
空似
(
そらに
)
ではなく、やはり丹頂のお粂であります。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あいつらの顔をみると、急にお俊を思い出して、こりゃあ占めたと思ったが、他人の
空似
(
そらに
)
でやっぱりいけねえ。
半七捕物帳:67 薄雲の碁盤
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
他人の
空似
(
そらに
)
とはよく申したものでおさよ殿は、死なれた拙者の母御に生き写し……よく瓜を二つに割ったようなというが、これはまた割らんでそのまま並べたも同然——なあ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
いくら見たとて——ありゃあ赤の他人の
空似
(
そらに
)
なんだあ。(引かえし来たり)文太、手前の元気が出てくるまで、俺あここで待っていて縛られてやるぜ——おう、また聞えてきた。
中山七里 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
私はその後から
巷
(
ろじ
)
へ足を踏み入れながら、またその名を呼ぼうとしたが、もし
空似
(
そらに
)
の人があって、間違ってでもいたら、暗い巷の中ではあるし、変に思われてもならないと思ったので
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼は自ら言った、「結局、他人の
空似
(
そらに
)
に過ぎなかったのだろう。」
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
他人の
空似
(
そらに
)
ということはあるが、真実庄左衞門の娘かも知れぬ
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
千代子は夜ふけの風のまだ寒かった晩、店のしまい際にふと見かけた人の姿は他人の
空似
(
そらに
)
であったのかも知れない。
にぎり飯
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
果して、それがあの時のさむらい、宇津木兵馬様であるやらないやらは
懸念
(
けねん
)
のことだけれども、今日の場合では、他人の
空似
(
そらに
)
であっても、心強い感じがする。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
脇坂様のお屋敷へ
駈
(
か
)
け込んだりするものだから、殿様もすっかり
真
(
ま
)
に受けて、さっそく八丁堀へお
手配
(
てはい
)
なすって、多分の御人数を繰り出してみると、あれアお前さん、他人の
空似
(
そらに
)
で
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
他人の
空似
(
そらに
)
ということは、よくある。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
似
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
“空”で始まる語句
空
空地
空虚
空想
空洞
空腹
空家
空気
空嘯
空手