うち)” の例文
「漢和何とかいうの引いたの。末っちゃんに考えてもらえってうちいうたのやけど、義兄にいさんったらきかはらへんのや。いややなアそんな名?」
御身 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「もうえ加減に、鎧みたいなもん着るのん止めときなはれ。うち拝むさかい、あんな暑くるしいもん着んといて。」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「要らねえよ。——うちこんなもの。……旦那さん。——旅行たびさきで無駄な銭を遣わねえがいいだ。そして……」
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うちは心配やよって、さっきから入口の前をひとりで見張ってたくらいや。警官隊もとんとあきまへんわ。警戒の場所を離れたりして、だらしがおまへんわ。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
滅茶滅茶にされたって、ひどく怨んでいるそうですが、それは無理ですよ。出羽屋の若旦那が、佐七の娘のお染より、うちのお民坊が好きなら、仕方がないじゃありませんか
うちのグリーシュトカの方が、二つぐらい年上らしいね」とソフィヤが言った
女房ども (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
うち、知らん」
一九二七年春より (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
うちが女学校の三年の時やつたで、金さんが六年の時やつたかしら、アそやそや、六年の時や、何んべんも来たのやろ?」
悲しめる顔 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
「なんやこう、あんたに離れるのがいやで言うたみたいやけど、うちいままで毎日お祖父ちゃんの俥のタイヤに空気入れてたさかい、ポンプ押すのん上手やし。」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「——うち、何も云えしまへん」
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「そんなこと知らんでどうする、末っちゃんはあてを子供見たいに思うてるのやな。何んでも知ってるえうちら。」
御身 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「姉ちゃん、うちちょっとも女専みたいな上の学校、行きたいことあれへん。うちかて働くわ。」
旅への誘い (新字新仮名) / 織田作之助(著)
うちおりかに二銭丸にせんだまを綿で包んで臍の上へ載せて置けっていうといたんやが、まだしてたやろな?」
御身 (新字新仮名) / 横光利一(著)
うちはリストのハンガリアンラプソデイ掛けようと思ってんのよ。浪花節なんか下品やわ」
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「——うちに甲斐性がないさかいお祖父ちゃんも働かんならんのや」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「それなら、あんたはんはふつといてうちら行つて来ますえ。」
悲しめる顔 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
うちに甲斐性がないさかい、お祖父ちゃんも働かんならんのや」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「さうやな、うち、金さんみたいな人嫌ひや。」
悲しめる顔 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
「達磨は面壁九年やけど、うちは三年の辛抱で済むのや。」
旅への誘い (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「肝腎のうちに一寸も抱かしてくれはれしめへんねん」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「あんたうちが好きやろ」
青春の逆説 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「あんたうちが好きやろ」
(新字新仮名) / 織田作之助(著)