神技かみわざ)” の例文
ところが、竹童の信念しんねんはくつがえされて、ゆみをとっては神技かみわざといわれている蔦之助が、どうだろう、この不覚ふかく? このみにくいやぶかた
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若い酋長は、小男の槍は神技かみわざのやうに早いことを知つてゐたので、とうてい小男を倒すことは出来ないと、心にあきらめてしまひました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
かくも、自分をはッきりと意識するようでは、とても、はやぶさに人の物をるなどという神技かみわざに近い芸ができるものではない。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして鎧のアイビキひも草摺くさずりのクリシメひも、陣太刀のと、はしからキチキチむすんでゆく指の早さといったらない。まるで神技かみわざと思わるるくらいだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
男を男とも思わず、他人ひとのふところの物さえ神技かみわざのようにりとるお綱に、こんな女らしいもだえがある。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)