磯節いそぶし)” の例文
さて問題の、鹿島灘の、一番北の端に、磯節いそぶしで有名な三磯みいその一つ、磯崎町いそざきまちというところがあった。ここは、家数が四五十しかない、至って小さい町だった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
呂昇ろしょう大隈おおすみ加賀かが宝生ほうじょう哥沢うたざわ追分おいわけ磯節いそぶし雑多ざったなものが時々余等の耳に刹那せつな妙音みょうおんを伝える。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
一般の百姓は若い者も、年老としとったものも、すべて終日囲炉裏いろりに火を焚いて取巻きくつろぎ、声の好いものは声自慢に松前まつまえや、または郷土固有の甚句じんくや、磯節いそぶしなどを歌って、其処に来合せたものにきかせる。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
磯節いそぶし。……ええな」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)