かね)” の例文
やがて、ろうそくのがともりつくした時分じぶんに、かねをたたいて、さかずきのさけは、べつのさかずきのなかうつされました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それより諸堂を参拝し、随求塔ずゐぐたふの前に備へたるかねを自己の歳だけ打ち鳴らすべし。尚、本堂にて厄除の万灯を奉納し、厄除の守を受け、又、寺務所に於て、厄除祈祷を申込まるべし”
にはかへんろ記 (新字旧仮名) / 久保田万太郎(著)
あるときは、きよらかな、ひびきのんだ、かねおとが、ちょうどさかずきのさけうえわたって、そのさけいけがひじょうにひろいもののようにかんじられることもありました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
よるは、くらそとに、木枯こがらしがすさまじくさけんでいました。そんなとき、たたく仏壇ぶつだんかねは、このいえからはなれて、いつまでもたよりなく、荒野こうやなかをさまよっていました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)