“硝子戸越”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ガラスどごし57.1%
がらすどご14.3%
がらすどごし14.3%
ガラスどご14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中野君は富裕ふゆうな名門に生れて、暖かい家庭に育ったほか、浮世の雨風は、炬燵こたつへあたって、椽側えんがわ硝子戸越ガラスどごしながめたばかりである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
上野行、浅草行、五六台も遣過やりすごして、硝子戸越がらすどごしに西洋小間こまものをのぞく人を透かしたり、横町へ曲るものを見送ったり、しきりに謀叛気むほんぎを起していた。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風にもめげずにみんな駆出すが、ああいう児だから、一人で、それでも遊戯さな……石盤へこう姉様あねさまの顔をいていると、硝子戸越がらすどごしに……夢にも忘れない……その美しい顔を見せて
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
低い硝子戸越ガラスどごしには、これも自分の子供時代から忘れ得ない秋海棠しゅうかいどうが、変らぬ年ごとの色をさみしく見せていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)