破傷風はしやうふう)” の例文
「少し調べたいが、破傷風はしやうふうにでもなるといけないから、大急ぎで船を岸につけて、近くの醫者へ行くやうに、いづれくはしいことは後で——」
醫者いしやは一おうなければわからぬといつて五月蠅うるさ勘次かんじ返辭へんじしなかつた。おしな病體びやうたいけると醫者いしや有繋さすがくびかたぶけた。それが破傷風はしやうふう徴候てうこうであることをつて恐怖心きようふしんいだいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「もう元氣で、起き出さうとするのを、寢かして置くのに骨が折れます。もう破傷風はしやうふうの心配もないさうですから」
「これは大變だ。併し破傷風はしやうふうにしてもこんなに早く毒が廻る筈はない——吹矢を拜見」
「どうぞ御覽下さいまし、もう破傷風はしやうふうの心配もないと思ひます」