石階いしばし)” の例文
一行の導かれた盆地は谿谷の底といった感じで、あかい砂岩の絶壁をジグザグにきざみ、遥か下まで石階いしばしが続いている。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
銀髪のロダン夫人が白茶しらちや色にダンテルをあしらつたゆたかな一種のロオブを着て玄関の石階いしばしを降りて来られた。何時いつか写真版で見た事のあるロダン翁の製作の夫人の像其儘そのまゝびんふくらませやうだと思つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「大丈夫、武器は取りあげてないから、まさかと思っているだろう。第一、石階いしばしには番人がいるし……そこを逃げても、マコンデ方面は網目のようだからな」
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
髑髏洞どくろどうの尽きた所にある二つの石門せきもんくゞつて更に一ちやう程の闇穴道あんけつだうを過ぎ、再び螺旋の石階いしばしを昇ると、初めの入口いりくちから七八ちやうも遠ざかつた街に出口が開かれて居た。買つた蝋燭はほとんど燃え尽きて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
これはバイエルタールの手抜かりというわけではなく、四か所の石階いしばしに厳重な守りがあるからだ。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)