矮鶏ちゃぼ)” の例文
旧字:矮鷄
そして帰りぎわに川上機関大尉のいいつけどおり広珍に寄って、矮鶏ちゃぼの合札とひきかえに、一つの荷物をうけとって帰艦したのだった。
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私も即座では当惑しましたが、ふと、思い附いて、鳥として西洋人に示しておもしろい題になるものという考えから矮鶏ちゃぼはどうかと思いました。
思いがけない人がやって来たのではなく、さきほど行き過ぎた矮鶏ちゃぼめが、何と思ってか引返して、この入口から縁の上へと侵入して来たものでありました。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
中央まんなかから取って矮鶏ちゃぼおしりの様ななりに致してすいだという、團十郎刈だんじゅうろうがりいとか五分刈ごぶがりあれが宜しいと、いきな様だが團十郎が致したから團十郎刈と云うと、大層名がいが
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
木理によって、うすいところはホロリと欠けぬとは定まらぬ。たとえば矮鶏ちゃぼ尾羽おははしが三五分欠けたら何となる、鶏冠とさかみねの二番目三番目が一分二分欠けたら何となる。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
父の仕事振りを偶々たまたま通りすがりの石川光明さんがよく見ていて、その世話で展覧会に出品するようになった。矮鶏ちゃぼなどは、その頃拵えたものだ。あの矮鶏は非常によかったと今でも思う。
回想録 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
矮鶏ちゃぼが夫婦で連れ添うて餌をあさりに来たことのほかには、いよいよおとなうものなしで、開け放されたいちいちの戸が、おしの如く動かないでいるばかりでした。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
矮鶏ちゃぼは狆と違ってその穿鑿せんさくも楽であろうと思った……とにかく、早速、狆のモデルの事で注意を与えてくれた彼の後藤貞行氏をたずねて、今度の製作のことを話し
その札には、白い羽と赤い鶏冠とさかをもった矮鶏ちゃぼの絵が描いてあった。
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そうして、私の矮鶏ちゃぼはその右側に置かれました。