瞬時しゅんじ)” の例文
破ったので外傷性の白内障を起したものと察せられる佐助は次に同じ方法を右の眼に施し瞬時しゅんじにして両眼を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
おさよは瞬時しゅんじもためらわずに、やにわに鍬を振りあげて、小屋のかげ、椎の根元を掘りはじめたが——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ふッと身体からだを乗りだし「そんなとこで、なにしてんの。ホホ……」と少しヒステリカルに笑い、顔見合せると急に笑いんで、やるせない沈黙ちんもく瞬時しゅんじが流れましたが
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
けれど畢竟ひっきょう自分じぶんなぐさめ、苦痛くつうわすれさせるものには酒以外さけいがいないことをったが、まれたから、今日きょうまで、瞬時しゅんじやすまず鼓動こどうをつづける心臓しんぞうれて、愕然がくぜんとして、かれ
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは後のこととして、主力艦を瞬時しゅんじうちに、三隻までも失った米艦隊は、やっと東洋遠征に誤算のあったことを気付いた。と云って、此処ここまで来て引上げることは許されないことであった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)