真鍮しんちう)” の例文
旧字:眞鍮
隣の次男は其婿が朝早く草の生えた井戸端で、真鍮しんちう金盥かなだらひで、眼鏡をはづして、頭をザブザブ洗つて居るのを見たこともあつた。
(新字旧仮名) / 田山花袋(著)
手紙てがみ古風こふう状箱じようばこうちにあつた。その赤塗あかぬりおもてには名宛なあてなにかないで、真鍮しんちうくわんとほした観世撚かんじんよりふうくろすみを着けてあつた。代助はつくえうへ一目ひとめ見て、此手紙のぬしあによめだとすぐさとつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)