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眉唾
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まゆつば
ふりがな文庫
“
眉唾
(
まゆつば
)” の例文
『所が——吾々なども、初めのうちこそ、仰せの如く大石殿を信じて居りましたが、近頃は、ちと、
眉唾
(
まゆつば
)
ものに思われて来たのです』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何十年かまえ、——この話はちょっと
眉唾
(
まゆつば
)
ものだが、おそろしく学問のある、気位の高い村長(当時は「村」だったのである)がいた。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
十数年前大坂表で、赤格子九郎右衛門一味の者が、刑死されたと聞いたとき、そこはいわゆる
蛇
(
じゃ
)
の道は
蛇
(
へび
)
で、
眉唾
(
まゆつば
)
ものだと思いました。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
八五郎の
奴
(
やつ
)
は、八幡樣の
神馬
(
しんめ
)
の生れ變りで、福徳圓滿、富貴望むが儘なるべし——は少し
眉唾
(
まゆつば
)
だが、顏の長いところは、馬に縁がないでもない。
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかし気が付くと、どうやらこれが
眉唾
(
まゆつば
)
のもののようにも思われてくる。「大地軸孔」のしたの
晦冥
(
かいめい
)
国の女なんて、どうもこりゃ芝居がすぎるようだ。
人外魔境:10 地軸二万哩
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
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このアビルの親切に対して、一時ちょっと
眉唾
(
まゆつば
)
の感じを持ったが、しかし、また昨夜みたいに、ひっかけられるんじゃないかといった深い疑惑は抱かなかった。抱けなかった。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
オールセン外務次官の弟が、ボストンにいて死んだというのも、ほんものの次官が聞いたら眼を廻すであろうが、伯爵夫人の父親が商人で、
巴里
(
パリー
)
に住んでいたというのも、
眉唾
(
まゆつば
)
ものであろう。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
福沢桃介が法螺丸にシテヤラレた話だって、
眉唾
(
まゆつば
)
ものかも知れないんだよ
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その
料理屋
(
れうりや
)
を、
狸
(
たぬき
)
がだましたのださうである。
眉唾
(
まゆつば
)
。
眉唾
(
まゆつば
)
。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
樺太本斗のエンヤラヤアノヤアは、こりゃ
眉唾
(
まゆつば
)
ものですよ。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
実際この寄り合いの口実ははなはだ
眉唾
(
まゆつば
)
ものであった。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「いや、それは
眉唾
(
まゆつば
)
ですぞ。昨朝彼の帰るとき見ていたが、陣門から馬に飛びのるや否、ひどく大あわてに鞭をあてて行きましたからな」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どうもおかしい。髪を断って異心なきを示すなんていうのは、ちと
眉唾
(
まゆつば
)
な心地がする。都督、うかつに出ないことですな」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「範宴は、聖光院の方には勿論いないし、大乗院にも、いると見せても、実はそこにもいないのだから……
眉唾
(
まゆつば
)
ものだよ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
眉
常用漢字
中学
部首:⽬
9画
唾
常用漢字
中学
部首:⼝
11画
“眉唾”で始まる語句
眉唾物
眉唾者