畝々うねうね)” の例文
それに、藁屋わらやや垣根の多くが取払われたせいか、峠のすそが、ずらりと引いて、風にひだ打つ道の高低たかひく畝々うねうねと畝った処が、心覚えより早や目前めさきに近い。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それからこうあっちに、畝々うねうねしたすじ引張ひっぱってあるだろう、これはね、ここから飛騨の高山の方へ行ったんだよ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
斜違はすッかいにこれをながめて、前歯の金をニヤニヤと笑ったのは、総髪そうがみの大きな頭に、黒の中山高ちゅうやまたかを堅くめた、色の赤い、額に畝々うねうねと筋のある、頬骨の高い、大顔の役人風。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貧しい場末の町端まちはずれから、山裾やますその浅い谿たにに、小流こながれ畝々うねうねと、次第だかに、何ヶ寺も皆日蓮宗の寺が続いて、天満宮、清正公せいしょうこう、弁財天、鬼子母神きしぼじん、七面大明神、妙見宮みょうけんぐう、寺々に祭った神仏を
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
辿たどる姿は、松にかくれ、草にあらわれ、坂にしずみ、峰に浮んで、その峰つづきを畝々うねうねと、漆のようなのと、真蒼まさおなると、しゃのごときと、中にも雪を頂いた、雲いろいろの遠山とおやまに添うて
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
畝々うねうねと巻込めてあった、そいつが、のッそり
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)