画板がばん)” の例文
旧字:畫板
天気のよい暖かい日には、画板がばんと絵の具とをたずさえてよく野に出かけた。稲木いなぎはんの林、掘切ほっきり枯葦かれあし、それに雪の野を描いたのもあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
彼は、肩から画板がばんと絵具箱とをつりさげ、そして右手には画架がかをたたんだものをひっさげていた。
一坪館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
春吉君も画板がばんをおいてかけつけると、土手の下に、水を通ずるため設けてある細い土管の中へ、竹ぎれをつっこんでいる先生が、落ちかかって鼻の先にとまっている眼鏡めがねごしに春吉君を見て
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
(筆)三角さん三角さん、お前わ平常ふだんから大層その角を自慢しているし、わしらもまたお前ほど角の多いものわないと思っていたが、この間来た画板がばんを見たかイ。あれわお前よりまた角が多いぜ。
三角と四角 (その他) / 巌谷小波(著)
直ぐチョークを買い整え画板がばんひっさげ直ぐまた外に飛び出した。
画の悲み (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
カルトン(紙ばさみであり画板がばんであるもの)
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
△風邪心地やうやくすぐれたれば、明日あたりは野外写生せんとて画板がばんなどつくろふ。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)