片木へぎ)” の例文
片木へぎにすしを盛つて人々に配る。鏡餅を、部落の戸數の數だけに細かく切つて、家毎に分ける。さういふ當番としての仕事を、駿介もやつた。
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
妻と婢とはだまって笑って見ていた。今度からは汝達おまえたちにしてもらう、おぼえておけ、と云いながら、自分は味噌の方を火に向けて片木へぎ火鉢ひばちの上にかざした。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『言海』には「飯器を載する具。片木へぎ作りの角盆」
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
そんなものはございません、とったが、少し考えてから、老婢ろうひ近処きんじょ知合しりあい大工だいくさんのところへって、うまいのり出して来た。滝割たきわり片木へぎで、杉のが佳い色にふくまれていた。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)