ただら)” の例文
夫人の身体全体から出る、馥郁ふくいくたる女性の香が、彼の感覚をただらし、彼の魂を溶かしたとってもよかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
とはいえ、白河の激水に、夏侯惇かこうじゅん、曹仁のともがらを奔流の計にもてあそび、博望の谿間たにまにその先鋒を焼きただらし、わが軍としては、退くも堂々、決して醜い潰走はしていません。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)