“霉爛”の読み方と例文
読み方割合
ばいらん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
周囲は草原であるのに、此処ここだけが花崗岩の霉爛ばいらんした細沙と粘土との露出地である為に、この驚くき霜柱を生じたものと想われる。
秋の鬼怒沼 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
その雪には花崗の霉爛ばいらんした砂が黄粉きなこのようになって、幾筋となくこぼれている、色が桃紅なので、水晶のような氷の脈にも、血管が通っているようだ、雪の断裂面は山から吹き下す風のためであろう
槍ヶ岳第三回登山 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
花崗岩が錆色に霉爛ばいらんして、大きな磊塊をなしたり、砂泥になったりする所を、乗り越えはいあがって、煙の源へ出る。青草葺きの、虫の巣めいた小屋が一つ見つかった。この頃来た人の遺物であろう。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)