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燧袋
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ひうちぶくろ
ふりがな文庫
“
燧袋
(
ひうちぶくろ
)” の例文
あまり珍しいので
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
の中に入れて持って帰りますと、もう途中からそろそろ大きくなり始めたといっております。(奇談雑史。千葉県印旛郡根郷村)
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
を出して下さい」と菅田平野が云った、「——さっきちょいとした事があって提灯を消したんです、ああ、そこに人間が転がってますから気をつけて下さい」
日日平安
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
絵図面の上に一応の思案を
凝
(
こ
)
らした一行は、いざとばかりに、ろうそくの火をふき消して立ち上ったのは、いよいよ早まり過ぎたことで、四方を暗くして後に、かぎ縄がない、
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
がない
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
根附は
提物
(
さげもの
)
の根元に附けるために用いるので、昔の
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
から
巾著
(
きんちゃく
)
、
印籠
(
いんろう
)
、煙草入の類を帯と腰との間を、
吊
(
つる
)
す
紐
(
ひも
)
の端に取りつけたものです。『装剣奇賞』に、「
佩垂
(
はいすい
)
の
墜
(
つい
)
に用ゆ」とあります。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
これは例の短刀を持たなくても好くなった頃、丁度
烟草
(
たばこ
)
を呑み始めたので、護身用だと云って、拵えさせたのである。それで
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
のような烟草入から雲井を
撮
(
つま
)
み出して呑んでいる。酒も飲まない。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
農夫などにはまだ
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
で火を切り出しているのがあった。
喫煙四十年
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
さらに別のかくしから
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
まで取り出した。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
こう云って彼はそのへんから杉の枯枝を集めて来、祠の縁下に押し込んで
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
を取り出した。そして燧石をかちっと打ったとき「ちょっと待て」という声が聞こえた。
艶妖記:忍術千一夜 第一話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ことに小形の
火切鎌
(
ひきりがま
)
などを、
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
に入れてどこへでも持ってあるくには、是がまた一個の商品となって常に売られることを必要とし、そういう時代はなかなか
田舎
(
いなか
)
へは来なかったのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
男は三之助と
斜交
(
はすか
)
いに坐った。それから
莨入
(
たばこいれ
)
と
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
を出して、煙草を吸いつけた。
暴風雨の中
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
喜六は上り框に腰を掛け、タバコ入れと
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
を出しながら、太い
溜息
(
ためいき
)
をついた。
枡落し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
やや長いこと、ようすを聞きすましてから、彼は、
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
を、とりだした。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
きせるに煙草を詰め、
燧袋
(
ひうちぶくろ
)
を取って、ゆっくりと煙草をふかした。
似而非物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
燧
漢検1級
部首:⽕
17画
袋
常用漢字
中学
部首:⾐
11画
“燧袋”で始まる語句
燧袋形