焼麺麭やきパン)” の例文
熱い紅茶をすすりながら焼麺麭やきパン牛酪バタを付けていると、門野かどのと云う書生が座敷から新聞を畳んで持って来た。四つ折りにしたのを座布団のわきへ置きながら
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
芸者と紳士ゼントルマンがいっしょになってるのは、面白いと、青年はまた焼麺麭やきパンの一ぺんを、横合から半円形に食い欠いた。親指についた牛酪バタをそのままはかまひざへなすりつけた。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ミルクホールに這入はいる。上下うえした硝子ガラスにして中一枚をとおしにした腰障子こししょうじに近くえた一脚の椅子いすに腰をおろす。焼麺麭やきパンかじって、牛乳を飲む。懐中には二十円五十銭ある。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕の恋愛観と云う表題の下に中野春台なかのしゅんたいとある。春台は無論輝一きいちの号である。高柳君は食い欠いた焼麺麭やきパンを皿の上へ置いたなり「僕の恋愛観」を見ていたがやがて、にやりと笑った。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)