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浅葱桜
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あさぎざくら
ふりがな文庫
“
浅葱桜
(
あさぎざくら
)” の例文
姿が
好
(
い
)
いからといって、糸より鯛。——東京の(若衆)に当る、土地では(小桜)……と云うらしいが
浅葱桜
(
あさぎざくら
)
で、
萌黄
(
もえぎ
)
に
薄藍
(
うすあい
)
を流した
鰤
(
ぶり
)
の若旦那。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ふん」と受けた藤尾は、細い首を横に庭の
方
(
かた
)
を見る。夕暮を促がすとのみ眺められた
浅葱桜
(
あさぎざくら
)
は、ことごとく
梢
(
こずえ
)
を辞して、光る茶色の
嫩葉
(
わかば
)
さえ吹き出している。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「駄目ですか。あの桜は珍らしい。何とか云いましたね。え?
浅葱桜
(
あさぎざくら
)
。そうそう。あの色が珍らしい」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
麓
(
ふもと
)
から
上
(
あが
)
ろうとする坂の下の
取着
(
とッつき
)
の
処
(
ところ
)
にも
一本
(
ひともと
)
見事なのがあって、
山中心得
(
さんちゅうこころえ
)
の
条々
(
じょうじょう
)
を記した
禁札
(
きんさつ
)
と
一所
(
いっしょ
)
に、たしか「
浅葱桜
(
あさぎざくら
)
」という札が建っていた。けれども、それのみには限らない。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
朧
(
おぼろ
)
とも化けぬ
浅葱桜
(
あさぎざくら
)
が、暮近く消えて行くべき昼の命を、今
少時
(
しばし
)
と
護
(
まも
)
る
椽
(
えん
)
に、抜け出した高い姿が、振り向きながら、
瘠面
(
やさおもて
)
の影になった半面を、障子のうちに傾けて
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
白の狩衣、紅梅小袖、
灯
(
ともしび
)
の影にちらちらと、囃子の舞妓、芸妓など、霧に
揺据
(
ゆりすわ
)
って、小鼓、
八雲琴
(
やくもごと
)
の
調
(
しらべ
)
を休むと、
後囃子
(
あとばやし
)
なる素袍の稚児が、
浅葱桜
(
あさぎざくら
)
を織交ぜて、すり
鉦
(
がね
)
、太鼓の
音
(
ね
)
も憩う。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浅
常用漢字
小4
部首:⽔
9画
葱
漢検準1級
部首:⾋
12画
桜
常用漢字
小5
部首:⽊
10画
“浅葱”で始まる語句
浅葱
浅葱色
浅葱幕
浅葱裏
浅葱木綿
浅葱刷
浅葱地
浅葱服
浅葱紗
浅葱絞