流行病はやりやまひ)” の例文
七八月の炎暑はかうして平原の到るところの街々に激しい流行病はやりやまひを仲介し、日ごとに夕燒の赤い反照を浴びせかけるのである。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
やましたのはうには大分だいぶ流行病はやりやまひがございますが、このみづなにから、つぢはうからながれてるのではありませんか。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それによると、この女はさる大官の一人娘だつたが、流行病はやりやまひにかゝつたので、その頃の習慣ならはし通り、まだ息を引取らぬうち生埋いきうめにしたものだといふ事が判つた。
ところが、不幸なことに、少年は流行病はやりやまひのために急に亡くなつてしまひました。それは今から五年ほど前のことです。爺はたちまち年をとつて、腰はまがりひげは白くなりました。
天童 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)