水寨すいさい)” の例文
と、曹操は大いに歓んで、各部の大将に旨を伝え、自身もまた多くの旗下と共に水寨すいさいへ臨んで、その中にある旗艦に坐乗していた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不日、青龍の牙旗をひるがえした船を見たまわば、即ち、われら降参の船なりとご覧ぜられ、水寨すいさいいしゆみを乱射するを止めたまわんことを。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それかあらぬかここ数日間、蜀の軍船は続々と長江を下り、江岸いたるところの敵を追ってはすぐそのあとに基地とする水寨すいさいを築いていた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
数千の兵船が、舳艫じくろをならべて遡航そこうしつつあるとのこと。また、三江の江岸一帯、前代未聞の水寨すいさいを構築しています。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後日、浪子燕青は、この淫婦姦夫の身柄を貰って、水寨すいさいほとりへ連れて行き、楊柳やなぎの幹にしばり付けたふたりを、短刀のただ一ト突きのもとに成敗した。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また水寨すいさいの水軍などもあわせて無慮むりょ八千、或る夜、忍びやかに無月むげつ江灘こうたんを渡って総反撃に出て行った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて泊内はくないは、いちばん強力な態勢となり、水寨すいさいでは水軍の調練、陸地では騎馬、弓、刀槍のはげみはいうもおろか、陣鼓じんこ鉄笛てってきこだましない朝夕とては一日もないくらい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先頃、この魯粛を伴うて、暗夜、ひそかに江をさかのぼり、北岸の敵陣をうかがいみるに、水陸の聯鎖れんさも完く、兵船の配列、水寨すいさいの構築など、実に法度はっとによくかなっている。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また満寵も、同じく強兵五千を指揮し、その夜二更、ふた手にわかれて、呉の水寨すいさいへ近づいた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
爛々らんらんいでいたが、くわっと口を開くやいな、「しまった! この大風、この急場、もし敵に火計のあるならば、防ぐ手だてはない。誰か行って、あの船隊を、水寨すいさいの内へ入れぬよう防いでおれ」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)