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気懈
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けだる
ふりがな文庫
“
気懈
(
けだる
)” の例文
旧字:
氣懈
笹村は友人の医者に勧められて、初めて試みた注射の後、ちょうど
気懈
(
けだる
)
い体を出来たての蒲団に横たえてうつらうつらしていた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
下界は隈なく
銀
(
しろがね
)
の光にあふれ、妙なる空気は爽やかにも息苦しく、甘い
気懈
(
けだる
)
さを孕んで、薫香の
大海
(
うみ
)
をゆすぶつてゐる。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「なんの、まだ朝までにはだいぶある。常ならば、これしきの山道、苦にもせぬが、この二、三日は
風邪
(
かぜ
)
気味か体が
気懈
(
けだる
)
うて歩くと息が
喘
(
き
)
れてならぬ。悪い折にぶつかったものよ」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日がそろそろかげり気味であったので、このうえ二三十町もある道を歩くことが、二人には何となし
気懈
(
けだる
)
い仕事のように思えた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
日に日に
気懈
(
けだる
)
そうにみえて来るおゆうの
媚
(
なまめ
)
いた姿や、良人に甘えるような素振が、母親には見ていられないほど腹立しくてならなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
目が始終
曇
(
うる
)
んで、手足も
気懈
(
けだる
)
そうであった。その晩も、近所の婦人科の医者へ行って診てもらうはずであったが、それすら
億劫
(
おっくう
)
がって出遅れをしていた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お増は
昨夜
(
ゆうべ
)
の睡眠不足で、体に堪えがたい
気懈
(
けだる
)
さを覚えたが、
頭脳
(
あたま
)
は昨夜と同じ興奮状態が続いていた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
浅井を送り出してから、お増はまた夜の匂いのじめついているような蒲団のなかへ入って、うとうとと夢心地に、何事をか思い占めながら
気懈
(
けだる
)
い体を横たえていた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
夜が
更
(
ふ
)
けるにつれて、表通りの売出しの楽隊の
囃
(
はや
)
しが、途絶えてはまた
気懈
(
けだる
)
そうに聞えて来た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
衆
(
みんな
)
は食べ飽きて
気懈
(
けだる
)
くなったような体を、窓の方へ持って行って、夕方の涼しい風に当った。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
体が
気懈
(
けだる
)
く頭心も痛かった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
懈
漢検1級
部首:⼼
16画
“気”で始まる語句
気
気色
気遣
気勢
気持
気質
気障
気配
気味
気高