“気懈”の読み方と例文
旧字:氣懈
読み方割合
けだる100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
笹村は友人の医者に勧められて、初めて試みた注射の後、ちょうど気懈けだるい体を出来たての蒲団に横たえてうつらうつらしていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
下界は隈なくしろがねの光にあふれ、妙なる空気は爽やかにも息苦しく、甘い気懈けだるさを孕んで、薫香の大海うみをゆすぶつてゐる。
「なんの、まだ朝までにはだいぶある。常ならば、これしきの山道、苦にもせぬが、この二、三日は風邪かぜ気味か体が気懈けだるうて歩くと息がれてならぬ。悪い折にぶつかったものよ」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)