死裝束しにしやうぞく)” の例文
新字:死装束
殺された娘お玉の死體は、隣りの六疊にうつされ、母親の時代と、その義妹でお玉には叔母に當るお近が、涙ながらに死裝束しにしやうぞくの世話をしてをりました。
き、しまくと、元船もとぶね乘棄のりすてて、魔國まこくとこゝを覺悟かくごして、死裝束しにしやうぞくに、かみ撫着なでつけ、衣類いるゐ着換きかへ、羽織はおりて、ひもむすんで、てん/″\が一腰ひとこしづゝたしなみの脇差わきざしをさして上陸あがつたけれど
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
死裝束しにしやうぞくの晴着に換へて、白布で膝をゆはへ、香まで焚いて、何處から持出したか、女持の懷劍、左乳の下を一とゑぐり、武士も及ばぬ見事な最期だつたのです。