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正鵠
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せいこう
ふりがな文庫
“
正鵠
(
せいこう
)” の例文
技巧の批評のできない三四郎には、ただ技巧のもたらす感じだけがある。それすら、経験がないから、すこぶる
正鵠
(
せいこう
)
を失しているらしい。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
サア・オルコツクの日本婦人は、とにかく、マツクフアレエンのそれよりも、
正鵠
(
せいこう
)
を得てゐる。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
他のためにせんとする衝動
若
(
も
)
しくは本能を認めて、これを利他主義といい、己れのためにせんとする衝動若しくは本能を主張してこれを利己主義というのなら、その用語は
正鵠
(
せいこう
)
を失している。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
こういうような実際
矛盾
(
むじゅん
)
している表裏的の事柄と、個人々々の性格なりあるいは生計なりにおけるいわゆる矛盾とは、よくこれを判別しなければ、人を判断するにおいて
正鵠
(
せいこう
)
を失し、混乱を
免
(
まぬか
)
れぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
もしこの想像が
正鵠
(
せいこう
)
を得るものとすれば、ローマ帝国時代よりも、近世国家の樹立以後における欧洲の秩序が、一層紊乱しておらなければならぬ。はたしてそうであろうか。余の意見はこれと反対だ。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
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と団さんは書生時代の経験から柄になく
正鵠
(
せいこう
)
を得た。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
けれども戦争の経過につれて、彼等の公表する思想なり言説なりに現れて来る変化を
迹付
(
あとづ
)
ければ、自分の考への大して
正鵠
(
せいこう
)
を失つてゐない事
丈
(
だけ
)
は
略
(
ほゞ
)
慥
(
たしか
)
なやうに思はれる。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
公衆の批判は、常に
正鵠
(
せいこう
)
を
失
(
しつ
)
しやすいものである。現在の公衆は元より云ふを待たない。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“正鵠”の意味
《名詞》
弓の的の中心にある黒い点。
狙い所。要点。急所。
(出典:Wiktionary)
正
常用漢字
小1
部首:⽌
5画
鵠
漢検準1級
部首:⿃
18画
“正”で始まる語句
正
正午
正直
正面
正月
正気
正体
正宗
正行
正吉