“迹付”の読み方と例文
読み方割合
あとづ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
唐突とうとつなるかけ離れた二象面フェーゼスが前後して我をとりこにするならば、我はこのかけ離れた二象面を、どうして同性質のものとして、その関係を迹付あとづける事ができよう。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けれども戦争の経過につれて、彼等の公表する思想なり言説なりに現れて来る変化を迹付あとづければ、自分の考への大して正鵠せいこうを失つてゐない事だけほゞたしかなやうに思はれる。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その必然性を認めるために、過去の因果いんが迹付あとづけて見ようという気さえ起らなかった。この心理状態をもっと砕けた言葉で云い直すと、事件の責任は全く自分にないという事に過ぎなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)