棄子すてご)” の例文
申立るやつかな汝ごときの者何事もわきまへざるとおぼえたりそも棄子すてごを致したりと有ては容易ようい成ざる罪人なり然るを何ぞや汝が罪をも思はず右樣申立るは畢竟ひつきやう久八へ千太郎より恩義おんぎ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
だからこの棄子すてごは衣食が充分に足りて、そうして笑うの余裕を得ている。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
棄子すてごをしたか。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
初めて知り棄子すてごと云るゝを深くはぢたりけん其後は手習を我が家にてなし遊びにも外へ出行いでゆくことなく柔和おとなしやかに母の手傳ひをして我が家の内に遊び居るを養父母も其の樣子を見て取しきりに其心根を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
して居たる中上野の山内へ出入となり四軒寺町本覺院ほんがくゐんの住寺の贔屓ひいきあづかりたり此寺の和尚と云は彼の藤川宿にて先年棄子すてごそで落書らくがきなしたるそうなりしが或日吉兵衞へ行脚あんぎやせし頃の物語りより彼の藤川宿に於て棄子すてごそで落書らくがきなしたる事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)