“棄身”の読み方と例文
読み方割合
すてみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よしそれとても、棄身すてみの私、ただ最惜いとおしさ、可愛さに、気の狂い、心の乱れるにまかせましても、覚悟の上なら私一人、自分の身はいといはしませぬ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
中年者の恋はそれだけ棄身すてみで真剣なのです……いや、図に乗って四十を越えた私が気のさすお話をして恐縮です。
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
一歩の空間を行き尽した靴は、光るこうべめぐらして、棄身すてみに細い体を大地に托した杖に問いかけた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)