ざい)” の例文
後者の孟浪杜撰まんらんづざんなることは忽ち瞭然りやうぜんとなるであらう。しかもこの新らしい随筆の作者はかならずしも庸愚ようぐざいばかりではない。
野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
糟谷かすやはつくづくと、自分が過渡期かとき中間ちゅうかん入用にゅうようざいとなって、仮小屋的任務かりごやてきにんむにあたったことをやんだ。なみだがいつのまにかまぶたをうるおしていた。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
立ちたる者顏を後額こめかみのあたりによすれば、より來れるざい多くして耳たひらなる頬の上に出で 一二四—一二六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)